AJBL Scope の発行目的

アメリカにおける企業経営において、法律問題は避けて通ることの出来ない問題です。アメリカでは、日本にくらべ訴訟がはるかに頻繁に起きていることは衆知の事実ですが、例えば、ウォール・マートは年間5,000件近くの訴えを起こされていると報道されています。日系企業といえども、油断するわけにはいきません。実際に法律問題が発生したり、訴状を受取ってから対応したのでは、余計な費用と時間がかかってしまい、会社経営に重大な悪影響を及ぼしかねません。無用な訴訟を避けるためには、日本人駐在員が、経営者や管理職として正しい法律知識を持ち、日常の意思決定にあたることが肝要です。

この米国企業法務ニュースは、日本人経営者、管理職、駐在員に対し、米国連邦雇用法、労働組合法、および、移民法に関する情報やニュースを提供することを目的としております。ある日系企業がセクハラ問題で、数十億円という和解金を支払ったり、1998年の全米自動車労組(UAW)によるゼネラルモータース社の二工場に対する約50日間のストにより、同社は2,500億円以上の損害を被ったと言われています。正しい法律知識を持ち、常日頃から、雇用における差別を未然に防いだり、組合法に違反しない形で、組合化を阻止したりする努力が必要なことは、これらの例を挙げるまでもなっく十分お分かり頂けると思います。また、2001年9月のテロ事件以来外国人の出入国に対する規制が大幅に強化されていますが、日本人が外国人として米国内で働くためには、正しい移民法の知識が不可欠です。

この米国企業法務ニュースは、日本で18年の職業経験を持つ日本人のインディアナ州弁護士が、日本人駐在員のためにトピックを選び、日本人に分かりやすく米国の法律を解説することを目的としております。この米国企業法務ニュースが、皆様の会社に於いて、厄介な雇用法上の訴訟を予防したり、従業員の組合化を防いだり、駐在員やその家族ならびに出張者の米国への出入国や、ビザの取得・更新の際のトラブルを防ぐためにお役に立てれば幸いです。この機会に、是非「米国企業法務ニュース」をご購読いただき、貴社の日本人幹部の米国雇用法、組合法および移民法に関する知識の増強を図ると同時に、日本人全員に回覧したり保存することにより、現在及び将来の駐在員に対する教育資料としてもご使用ください。また、米国子会社の管理や駐在員の人事管理を行う日本の親会社にも、是非ご購読をお勧めくださるようお願いいたします。